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「OCTOPATH TRAVELER」レビュー。想像力を刺激する表現とスリリングなバトル,そして自由度の高い冒険を満喫できる作品だ
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印刷2018/07/01 00:00

レビュー

「OCTOPATH TRAVELER」レビュー。想像力を刺激する表現とスリリングなバトル,そして自由度の高い冒険を満喫できる作品だ

 2018年7月13日に発売を控えた,スクウェア・エニックスのNintendo Switch用RPG「OCTOPATH TRAVELER」。発売前に製品版をプレイする機会を得られたので,レビューをお届けしていこう。1コマンドの選択に重みのある戦闘,想像力を刺激するグラフィックス,町の人々にさまざまなアプローチができる「フィールドコマンド」といった要素が絡み合い,「こういうRPGが遊びたかった!」と思わせる仕上がりとなっている。

OCTOPATH TRAVELER


ドット絵と3Dグラフィックスが組み合わさった,独特の空気感を持つ画面が美しい


 本作をプレイしてまず目を惹くのが,絵本のような暖かみのあるグラフィックスだ。ドット絵と3Dグラフィックスが巧みに組み合わされているこの手法を,スクウェア・エニックスは「HD-2D」と呼んでいる。人物や風景にドット絵が,そして,降りしきる雪や流れる水などの自然現象の描写や,陽光の輝きなどのライティングに3Dグラフィックスが使われているのだ。

OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER

 水と油のように思える2つの手法だが,実際に画面を見ると独特の雰囲気が醸し出されている。例えば森のダンジョンでは,茂る木々がドット絵で,周囲を包む霧が3Dグラフィックスで表現されており,鬱蒼とした森の暗さと,ひんやりと肌寒い森の大気が表現されている。また,川べりでは,ドット絵の草むらと,3Dグラフィックスで流れる水と輝く陽光が合わさり,抽象的な光景にリアルな空気感と空間の広がりが加わっているのだ。このHD-2Dは,とくにNintendo Switchの携帯モードで見ると美しく,“動く絵本”的な箱庭世界が両手の中に収まっているように感じられた。

OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER

 人物にもドット絵が用いられており,多彩な“芝居”をする。うつむいたり,しゃがみ込んだり,手を掲げたりといった仕草の一つ一つが可愛らしいだけでなく,「この時キャラクターはどんな気持ちなんだろうか?」と想像力を刺激してくれるのだ。
 HD-2Dを見て再認識させられるのは,ドット絵とは,見る者が行間を想像できる優れた手法であるということだ。その成立自体はビデオゲームの黎明期に遡るが,特性を理解した上で使うのであれば,決して“古い”表現ではないと感じられた。

OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER
OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER


導き,盗み,聞き出し,けしかける。8人の個性を表現する「フィールドコマンド」


 本作には異なる背景を持つ8人のキャラクター達が登場する。主君を失った剣士オルベリク,腕利きの盗賊であるテリオン,好奇心旺盛な学者のサイラス,踊子に身をやつして父の仇を追うプリムロゼなど,出自や目的もさまざまだ。

OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER
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 ゲーム開始時に誰を主人公にするかを選べるのだが,ここで選ばなかったキャラクター達も各地の町で仲間にできる。その際も最初に選んだ時と同様,旅立ちに至るまでのストーリーを体験可能だ。つまり,わざわざ別の主人公でやり直さなくても,1周のプレイで各キャラクターのストーリーを楽しめるのである。キャラクター達のストーリーは章立てになっており,特定の町を訪れると新章が始まるのだが,誰のストーリーを進めるかを任意で選べるし,中断も自由だ。例えば,ゲームはオルベリクで始めたが,ひとまず中断してテリオンのストーリーを先に進める……というようなこともできるのが嬉しい。

OCTOPATH TRAVELER

 キャラクター達は,非戦闘時に「フィールドコマンド」,戦闘時に「固有アクション」を使うことができ,それぞれの職業や人となりがゲームシステム的にも表現されている。

 今回のプレイでは,神官のオフィーリアを主人公に選んだのだが,彼女は一般人を冒険に連れ歩くという珍しい機能のフィールドコマンド「導く」を持っている。「導く」はセリフを持つ一般人の大部分に使え,オフィーリアのレベルが一般人のレベルを上回っていればパーティの助っ人に加えることが可能だ。村長や人妻にならず者など,大抵のRPGで脇役扱いになっている人々と一緒に戦えるのが面白い。

 一般人達はそれぞれに「得意技」を持っており,単なる賑やかしではない。戦闘時に「加勢」のコマンドで呼び出せば,オフィーリアとは独立して行動し,攻撃やHP回復,バフに魔法などで活躍してくれるのだ。得意技の種類や強さは人によって異なる。平凡な町人がレアな回復技を持っていたり,街中になにげなく立っている衛兵が結構強かったりするので,新しい街に着く度に一人一人調べて回るのが楽しい。

オフィーリアのフィールドコマンド「導く」は,一般人を連れ回せる。戦闘で「加勢」してもらったり,道中で難儀している人を街へ送り届けたりと,使い道はいろいろ
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一般人達の強さや「得意技」はさまざまで,一人一人調べたくなる
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 一般人は決められた回数だけ「加勢」で呼び出すと元の場所に戻ってしまう。再度同じ場所へ行って再び仲間に加えることもできるので,セリフが印象深い,人となりが気に入った,得意技が強い……など,思い入れのある一般人を何度もパーティに加えるのもアリだろう。

 筆者のお気に入りは,オフィーリア編のスタート地点であるフレイムグレースの町にいる「神官」だ。固有の名前すら無いものの,「大氷結魔法」という序盤では珍しい強力な全体攻撃の得意技を持っており,強敵との戦いでは幾度となくお世話になった。時には攻撃を受け止めてくれるようなこともあり,とくにギリギリのボス戦では感動してしまった。
 また,とある街の「踊子」は人気不振から引退を考えているちょっとかわいそうな人なのだが,パーティに入れると,短剣を投げたり,「影の舞」なる全体攻撃を使ってくれたりと大活躍してくれる。このように,ストーリーの本筋には関わらないながらも,不遇な人へ救いの手を差し伸べられるのが大変に印象深い。好きになる一般人はプレイヤーごとに違ってくるだろうから,発売後はほかの人のお気に入りを聞いてみたくなった。

 一般人を仲間にできるRPGというと,「ファルアディア」(1994年)や「ラジアータストーリーズ」(2005年)といった前例はあるが,本作ではパーティメンバーではなく助っ人という特別枠に加えることにより,戦力をダウンさせることなくいろいろな一般人を連れ歩ける工夫が面白い。

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 今回のプレイでは,8人のキャラクター全員を仲間にしてみたが,中でもユニークに感じられたのが薬師・アーフェンの「聞き出す」,そして商人・トレサの「買取る」と,盗賊・テリオンの「盗む」である。

 アーフェンの「聞き出す」は,町人たちの過去や人となりを知ることができる。その多くは平凡で慎ましいものなのだが,丘の上でたたずむ老婆がかつては悪事の限りを尽くした盗賊だったり,無害そうな少年が窃盗の常習犯であったり,仲良く並んで立つ2人の衛兵が実は険悪な仲だったり……と,ディープな人間模様が垣間見えてしまうこともあってちょっと怖い。

丘の上にたたずむ老婆。一見無害そうだが……
OCTOPATH TRAVELER
アーフェンの「聞き出す」で,老婆がかつて盗賊として暴れ回った過去が判明。テリオンの「盗む」で持ち物を探ってみると,「劇物の素材」となんとも物騒。さすがは元盗賊だ
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 「買取る」「盗む」では一般人の持ち物を買ったり盗んだりできる。彼らはそれぞれに異なるアイテムを持っており,中にはその街に売っていないレア武具や,売れない画家が最後に描いた絵といった,ドラマを感じさせる品も存在する。
 「買取る」なら持ち物を合法的に手に入れられるが,もちろんお金が必要。一般人達の値付けもさまざまで,値打ちを見誤ると損が出かねない。しかし,「盗む」が成功すれば,タダでゲットできてしまう。

 あくまで正しい道を行くか,悪事もばれなければ良しとするかはプレイヤーの気持ち次第。ゲームの中とは言え「盗む」コマンドを使うときはドキドキしてしまう。中には“とある一般人がレアなモリを持っているが,家族の形見なので「非売品」となっており,入手するには「盗む」しかない”というようなシチュエーションも用意されており,なかなか悩ましい。

トレサの「買取る」は,一般人の持ち物を合法的に買えるが,中には非売品も。テリオンの「盗む」ならどんな品も盗めるが,確率で失敗する
OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER
テリオンの「盗む」や,サイラスの「調べる」といったフィールドコマンドは失敗する可能性がある。同じ街で何度も失敗すると関係性が悪化し,フィールドコマンドを受け付けなくなる。関係性は回復できるが,大金が必要になる
OCTOPATH TRAVELER OCTOPATH TRAVELER

 街の中で発生する「サイドストーリー」では,アーフェンの「聞き出す」で事件の犯人を特定し,一般人にバトルを挑むオルベリクの「試合」を使って懲らしめるなど,フィールドコマンドを組み合わせて解決しなければならないことも。こうしたフィールドコマンドの使い方は自分で推理する必要があり,ちょっと頭を使うのが面白い。

狩人・ハンイットのフィールドコマンドは,モンスターに一般人を襲わせる「けしかける」。戦闘に勝てば一般人は気絶状態になるが,すぐに回復する
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敵の弱点を見極めてブレイク! 一手の選択が重い,スリリングなバトル


 本作のバトルはコマンド選択式だ。「コマンドブースト」「ブレイク」,そしてキャラクターの職業を反映した「固有アクション」により,1コマンドに重みのある,緊張感溢れる戦いが楽しめる。

 「コマンドブースト」は,ターン毎に蓄積される「BP」を使い,コマンドをブースト(強化)するシステム。RPGではお馴染みの武器攻撃「たたかう」も,BPをつぎ込むほど「×2」「×3」……と強化されていき,2回,3回と攻撃回数が増える。また,キャラクターが持つ魔法などのアビリティ(特技)もBPでパワーアップする。こまめにブーストしてダメージを与えていくか,じっと我慢して溜めたBPで一気に勝負を決めるかはプレイヤー次第だ。低レベルの魔法もブーストすれば大ダメージを与えられるため,ゲームが進んでもこれらのアビリティが「死に技」にならない。

通常なら1回攻撃するだけの「たたかう」コマンドも,BPをつぎ込んでブーストすれば,複数回攻撃に早変わり
OCTOPATH TRAVELER

 コマンドブーストと組み合わさり,非常に奥深い戦術性を生み出しているのがブレイクのシステムだ。ブレイクとは,ひと言で言えば「敵の弱点を突いて気絶させるシステム」である。モンスターはそれぞれ「シールドポイント」と呼ばれる値を持っており,これは弱点属性の攻撃を当てる度に1ポイントずつ減少する。そして,ゼロにすると,ブレイクが起きて気絶し,しばらく行動不能になる。この時に攻撃すれば,通常よりも大きなダメージを与えられるのだ。

 ここで思い出してほしいのが,“「たたかう」をブーストすると,攻撃回数が増える”という点。例えば3のシールドポイントを持つ敵がいた場合,普通に戦っていたのではブレイクを起こすのに3ターンかかってしまう。しかし,ブーストし「たたかう×3」とすれば,一気に3回攻撃するのですぐにブレイクさせられるのだ。

弱点属性の攻撃を当て,「シールドポイント」をゼロにすれば「ブレイク」が発生し,敵は気絶する
OCTOPATH TRAVELER

 ブレイクした敵は行動不能となるが,タイミングを見計らえば効果はより高まる。例えば,敵が大技を使おうとしたところでブレイクすれば,ダメージを抑えつつ戦うことができる。倒れた仲間を蘇生したい時なども,うまくブレイクさせれば安全に体勢を立て直せるし,仲間にブレイクしてもらったところに,満を持してBPをつぎ込んだ大技を発動させれば大ダメージを与えることも可能だ。
 とはいえ,BPは1ターン毎に1しか溜まらないうえ,蓄積量にも上限がある。また,ブーストした直後のターンはBPが増えないので,常にブーストし続けるのは不可能。そのため,いつブーストするかが非常に重要となるのだ。

 ブレイクを起こすために重要なのが,敵の弱点を探ることだ。モンスターはいくつかの弱点を持っているが,最初は表示欄が「?」となっており分からない。対応する属性の攻撃を当てるか,学者のアビリティ「しらべる」を使うと「?」の中身が一つ一つ明かされていく。

モンスターの弱点は,弱点属性の攻撃を当てると一つ一つ明らかになっていく。サイラスの固有アクション「予習」は,モンスターとエンカウントした際に,弱点を1つ自動で明らかにする。極めて強力な能力だ
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 弱点は「火炎」や「氷結」といった魔法攻撃だけでなく,「剣」や「斧」など武器攻撃も含まれており,これが戦略性を深めている。例えば神官や学者といった魔法系職業が唯一装備できる「杖」は攻撃力が低く,通常のRPGなら彼らの「たたかう」コマンドは早々に使わなくなってしまうことが多い。しかし,本作の場合,敵の弱点に杖が含まれているなら,極めて重要な攻撃手段となる。攻撃力は低いながらもコツコツと敵のシールドポイントを削っていき,いつかはブレイクに持ち込めるからだ。
 また,シールドポイントが低く,武器攻撃を弱点とする敵が群れているなら,全体攻撃できる「横一文字斬り」や「さみだれ矢」といった技で複数体を同時にブレイクできる。つまり,弱点さえ分かっていれば格上のモンスターを少ない被害で倒すこともできるわけで,低レベルクリアなどのやり込みが盛り上がりそうだ。

剣を弱点とする敵が群れているところに,剣属性の「横一文字斬り」を使えば,複数体を一気にブレイクさせられる
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 固有アクションはキャラクターが持つ特技のようなものだ。テリオンは「盗む」で敵からアイテムを奪い,アーフェンは薬の素材を「調合」して攻撃や回復を行うなど,職業の特性が反映されており,戦闘にアクセントを加えてくれる。

 やり込みがいがありそうなのが,ハンイットの「捕獲」だ。これは,HPを減らしたモンスターを捕らえられるというもの。捕らえたモンスターは戦闘時に「けしかける」でさまざまな効果の特殊攻撃を放てる。状態異常付きの全体攻撃や回復など種類がかなり多く,新しい地方に行ったときはまずモンスター捕獲に励んでしまうほど楽しい。残念ながらモンスターを捕まえておける数には限りがあり,一定回数「けしかける」と野性に還ってしまう。強いモンスターをどこで使うかも重要だし,とくに有用なものは定期的に補充しておくという手もありそうだ。

ハンイットの「捕獲」は,HPを減らしてから使うとモンスターを捕まえる。捕まえたモンスターを「けしかける」と特殊攻撃を放ってくれる
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 コマンドブースト,ブレイク,弱点,固有アクションのシステムにより,戦闘はスリリングなものとなっている。とくに緊張するのがボスバトルだ。本作のボスはなかなか強く,同じコマンドを連打するだけでは勝てない。弱点のすべてを探り出し,溜まったBPで適切にブーストをかけ,最善のタイミングでブレイクを起こす必要がある。状況に合わせて臨機応変に立ち回る必要があるため,これがなかなかにドキドキする。全滅ギリギリのところまで追い込まれ「これでなんとか倒れてくれ!」と願いを込めてボタンを押すなどは当たり前。1手のミスで仲間が3人やられてしまい,そこからブーストとブレイクをフル活用して一気に盛り返すなど,手に汗握る戦いが楽しめた。

ボスが大技を使う前には予兆がある。弱点が分かっていればブレイクを起こして大技を邪魔できる
OCTOPATH TRAVELER


ドット絵,緊迫の戦闘,自由度の高い冒険

「こういうRPGが遊びたかった!」と思える1本


 ドット絵の表現力と3Dグラフィックスの空気感が広大な世界を表現し,ブーストと弱点でスリリングな戦闘を楽しめる。本作は,RPG好きなら「こういうのが遊びたかった!」と歓迎できる仕上がりだ。

 個人的には,ドット絵ならではの想像力を刺激する表現が多かったのも嬉しい。例えば商人のトレサは,お金を払って傭われ兵を呼び出す「傭兵」というアビリティを持っている。額が少ないとあまり強くない傭兵が,多いと回復してくれる神官が戦場にいきなり現れるのだが,強敵に出会った時などは「金に糸目を付けずに『傭兵』でこの場を凌ごうか,いやいや逃げればその金で武器や防具を買えるが,失敗したらどうしよう」……と悩むことになる。お財布とバトルを結びつけたユニークな技なのだが,これなどはフォトリアルなグラフィックスで表現すると,コミカルに過ぎるというか,ゲーム的ご都合主義な側面が強調されすぎてしまうだろう。しかし,ドット絵だと「まあ,ゲームだからこういうことも起こるだろう。実は画面に見えないところで傭兵達がトレサに着いてきているのかもしれないしな」と納得できてしまうところがある。

トレサの「傭兵」はお金を払って雇われ兵を呼び出す。ドット絵ならではのコミカルな技だ
OCTOPATH TRAVELER

 また,ボスはモンスターだろうと人間だろうと関係なしにデカい。画面を一目見ただけでその危険さが伝わってくるし,倒した時の爽快感もひとしおだ。これなどもドット絵だからこそ許されるデフォルメといえるだろう。

旧体験版にも登場した,プリムロゼ編のボス「支配人ヘルゲニシュ」。砂漠の真ん中でワイン片手に椅子にふんぞり返る様は,実に悪そう。ドット絵ならではの表現だ
OCTOPATH TRAVELER
イベント発生時に特定のキャラクター達がパーティにいると,特殊な会話が発生。彼らの人となりを深彫りする面白い内容になっている
OCTOPATH TRAVELER

 自由度も高く,プレイヤー毎に異なるゲーム体験を楽しめるようになっているのも印象的だ。主人公を誰にするかや,残りの7人を仲間に加える順番はプレイヤーの選択に任されているし,「導く」で仲間にできる一般人や「捕獲」で捕らえられるモンスターもいろいろな特技を持っており,選択肢は多い。
 また,キャラクター達は戦闘で得られる「JP」を消費してアビリティを習得していくのだが,どの順番で習得するかはプレイヤーの自由だ。必要となるJPがアビリティ毎に決められているのではなく,何番目に覚えるかで決まるため,例え大技であっても,最初に習得すれば低いJPで手に入れられる。例えばオフィーリアの場合,全体攻撃の「光明魔法」で積極的に戦えるようにしてもいいし,普通のRPGなら後半に覚える「復活魔法」を序盤で習得し,仲間が倒れた時に備えてもいい,といった具合だ。
 誰を主人公にし,7人をどういった順番で仲間にし,どの一般人やモンスターの力を借り,どのアビリティから覚えていくか。ゲームの道筋は人によって異なるものとなるはずで,どんな選択をしたか友達と話すのも楽しいだろう。

 本作は,ドット絵を用いたビジュアルやコマンド選択式戦闘に加え,高い自由度により“ゲームについて語り合う”体験についても1990年代の雰囲気を再現しようとしているように感じられる。それでいて,本作の内容は単なる懐古に留まっていない。昔からスクウェア製RPGを遊んできた人はもちろん,若いRPGファンにもぜひ遊んでほしい作品だ。

OCTOPATH TRAVELER

「OCTOPATH TRAVELER」公式サイト

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